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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「南京!南京!」 晴雨堂推薦新作映画 

日本人は複雑?
南京虐殺事件を描いた中国映画
南京!南京!』が映画祭で最高賞を受賞!

 
 スペインで開催中の第57回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門の受賞結果が現地時間26日、審査委員長のローラン・カンテ監督から発表された。最優秀作品に贈られるゴールデン・シェル賞を南京虐殺事件を描いた中国映画『南京!南京!』が受賞した。『南京!南京!』はほかに、審査員賞(最優秀監督賞)と、カトリック映画賞(シグニス賞)と、全3冠を獲得した。(シネマトゥデイ)
  
【雑感】日本人だけでなく、中国人も複雑だろう。今回は日本人側の視点も盛り込まれており、日本人俳優も多数参加している。間違いなく中国人から見れば「日本寄りだ」と非難するだろう。現に、中国では興行的には盛況だったようだが多くの評論家たちからは好意的評価はされていない。
 この手の映画は双方から非難を浴びるものだ。作品として良質なら第三者が評価する。陸川監督は賢明にもそれを最初から覚悟されているようだ。そういう意味で私はこの作品に興味を持っている。

 
 「被害者」の立場あるいは「被害者である」と子供の頃から教育されてきた人々にとっては「加害者」は鬼畜・悪魔でないと納得できない。少しでも人間的にリアルに描こうとすれば、「被害者」は美化と見なし敵性行動と断定して攻撃する。
 実際、中国人の知人は日本にやってきて想像に反して日本は治安が良くて日本人は親切だったと言っていたし、四川大震災での日本医療隊の活躍に日本人へのイメージを変えた成都市民もいたそうだ。イメージは恐ろしい。
 「ヒトラー 最期の12日間」でもユダヤ人勢力から美化と非難された。私のような第三者の目には「どこが美化やねん」と思うのだが。「被害者」の要望通りに描いたら、もはや人間ばなれしたモンスターになってしまうだろう。
 しかし、大量虐殺はモンスターがやっているのではない普通の人間がやってきた、その事実を歪めてはならない。

 「被害者」の言い分に迎合すると逆に新たな「加害者」を生む土壌になる。世の中は単純では無い。「被害者」が連想するような「加害者」であれば、たとえドイツ人が馬鹿でもヒトラーを総統に選ぶはずがない。モンスターである事がまる見えなら誰も支持はしないのだ。
 「加害者」をステレオタイプで表現する事は、「加害者」の本質を歪めてしまい、本当の「加害者」が台頭したとき無警戒になる。
 
 日本軍兵士の描写にしてもそうだ。日本人が鬼畜という訳ではない。日本を弁護しているとの非難を受けそうだが、日本の長い歴史で侵略を展開した時期は少ない。むしろ強力な軍事力で外国に攻め入る機会が多かったのは中国の方だろう。
 カダフィ大佐の国連演説を聞くまでもなく、世界中に強大な軍隊を派遣し多くの民族を殺戮蹂躪支配してきた経験が豊富な国は、国連の常任理事国たちである。
  
 あいつが悪いとか、俺はもともと悪くなかった、とかそんな議論では平行線のままだ。それより「侵略する側」に立ってしまうと誰でも鬼畜になってしまう、誰でも鬼畜になる可能性がある、それを教訓とするべきだろう。でないと、今は「被害者」でも将来はとんでもない「加害者」に豹変する。
 
 ナチスドイツの被害にあったユダヤ人はパレスチナの地にイスラエルを建国し、それまで友好関係だったパレスチナ人とは回復不能とも思える険悪な関係となった。
 満州国では傀儡とはいえ満州族の皇帝を擁立し、政府閣僚も一応満州族や漢族で占められたが、チベット自治区はチベット人の首長だろうか? 新疆ウイグル自治区の「新疆」とは新しい国境という意味だが、未だに漢族目線では建前すら怪しいと世界から疑われる。
 
 ステレオタイプ描写は、「加害者」は素直に加害事実を認められないし、「被害者」は自らに巣食う「加害者の素質」に対し鈍感になる。
  

 
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「パラダイス・ナウ」と「ミュンヘン」を思い出しますね。
署名までしたんで、「ジョン・ラーベ」公開キボンヌ。
[ 2009/09/27 15:49 ] [ 編集 ]
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