FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

夫婦別姓 近頃の現象[二百四十五] 

夫婦別姓導入へ…政府、
来年にも民法改正案

 
 政府は、夫婦が別々の姓を名乗ることを認める選択的夫婦別姓を導入する方針を固めた。(読売新聞)
  
【雑感】社民党が参加する連立政権であるから、当然この法案は出すだろう。民主党内にも別姓賛成派が少なくないので、党の政策として掲げられている。自民党は下野したんだなと実感させる現象だ。
 
 これはかなり感情的な議論になるため平行線が続くだろう。家制度粉砕を目論むフェミニスト勢力は制度改革の第一歩だし、家制度存続で気張る保守市民は秩序崩壊の序曲になる恐怖から夫婦別姓阻止は一種の防衛線だ。
 
 だが、議論を聞いていると、私には双方とも日本文化を誤解しているように見えるのだ。
 
「夫婦同姓」・・これはフェミニストがいう古い前近代的因襲でもなければ、保守がいう日本文化の伝統でもない。
 夫婦同姓が確立したのは明治末の20世紀初頭である。戸籍法成立からであり、長い日本の歴史の中では最近の話だ。
 その証拠に北条政子はなぜ源政子と名乗らんのだ? 日野富子はなぜ足利富子と名乗らんのだ? また、明治の後半までは事実婚が当たり前だった。
 したがって、夫婦別姓にしたからといって「家制度」が無くなるわけはない。家制度が根強くあり、男尊女卑が厳しい中国韓国は大昔から別姓だった。それから、中国韓国の厳しい家制度と男尊女卑社会から判るように、むしろ日本の夫婦同性制度は妻を他人扱いしない配慮から生まれたものと言えなくもない。
 
「苗字は個人のアイデンティティ」・・本気でそう思っているのなら、現行の名前を捨てた方が話が早いのではないか。おそらく、殆どの人民大衆は自分の意思が及ばない与り知らぬところで勝手に名前を決められているものである。言うまでもなく、自分が産まれた時に自分の意思で自分の名前を決定するのは生物学的にも物理的にも不可能だからだ。
 
 フェミニストたちにとっては、現行の「本名」は単なる「戸籍名」のはずだろ。国家が管理するための「登録名」だろ。夫婦別姓なんて中途半端なことを主張するのではなく、思い切って改名の自由に踏み込んだらどうなんだ。
 家制度の尾骶骨がある苗字を温存する法律設定にやっきになるより、成人すれば自由に自分の名前を改名できる制度の方が、より理念に近いはずだ。
 
【苗字はやっぱり家族名】・・よく江戸時代では庶民に苗字を名乗ることが許されなかった、と学校で教えられるが、それは正確ではない。農民でも名主や庄屋などの大百姓は名乗っていたし、職人などの技術者の元締めも名乗っている人はいた。士農工商の下層である商人も、苗字はないが屋号が苗字として機能していた。
 ここまでいったら判るだろう。苗字とは、血縁地縁集団の看板である。なぜ看板が必要なのかと言えば、財産や特権がある集団には権利を主張すべく既得権集団を表す看板が必要だったからだ。現代社会でも政治家・企業家・商店主・伝統文化の担い手など既得権や財産のある家庭は家制度を維持している事が多い。
 逆に言えば、無産階級の人間には特に苗字は必要ない。だから「○○町の喜兵衛」でも不都合はなかった。時代を遡って私有財産の無い旧石器時代であれば、名前すら必要なかったかもしれない。

 所帯を持つことは子供を育てるのに便利と言う人が多いが、実際にシングルマザーやシングルファーザーに比べたら負担は少ない。さらに核家族ではなく祖父母がいる大家族なら、子供の世話を祖父母に任せることもできる。子供を育てるに家族は便利だ。その延長線で自分たちの権益を守り後継者を立てて将来も確保するに血縁地縁集団による家制度は便利なのである。
 
 フェミニスト的な考え方のヒラリー・クリントン氏も、結婚当初は実家の姓を名乗っていたがアーカンソー州知事に夫が就任するあたりからクリントン姓を名乗るようになった。その方が選挙で便利だからだ。大統領選出馬や国務長官として辣腕を振るうにしても実力にプラスしてクリントン家の影響も少なくない。
 
【改名の権利】・・苗字が持つ機能は解ったと思う。フェミニストたちが言うように苗字は個人の人格を表すものではあるが、あくまでも「個人の人格も」だ。メインは血縁地縁集団の名称である。私有財産を禁止にしない限り、血縁地縁集団の名称としての苗字の必要性は無くならない。
 苗字の成立と発展の経緯と機能してきた事実と現状を無視した夫婦別姓論は、あまり意味が無い。血縁地縁のしがらみが無い人々は、現行の法律でも別段不都合はないのだ。どちらの姓にするかはジャンケンで軽く決めたカップルも知人にはいた。
 しかし血縁地縁集団を大事にしたい人々にとっては、一種の死活問題と感じそういう訳にはいかない。現行法でも男女いずれかの姓を名乗る事になっているのに、圧倒的多数は男性の姓を名乗っている。日本人の多くは保守であり慣習を踏襲し秩序重視だ。

 フェミニストが主張すべき事は、自分で名前を決める権利だ。
 
追伸 以前、あるフェミニストと言い争った事が元になっているので、フェミニストと言う単語を用いてしまった。
 夫婦別姓論も広く世間に浸透している事は存じている。
 

 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



[ 2009/09/28 00:14 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
130位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
66位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク