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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ダントン」 自分に喝を入れたい時に〔3〕 

ダントン
ジェラール・ドパルデューの迫真の演技!

 
ダントン 
(未DVD化)
 
【原題】Danton
【公開年】1982年  【制作国】仏蘭西 波蘭 西独逸  【時間】136分  
【監督】アンジェイ・ワイダ
【原作】スタニスワヴァ・プシビシェフスカ
【音楽】ジャン・プロドロミデス
【脚本】ジャン=クロード・カリエール アンジェイ・ワイダ アニエスカ・ホランド ボレスラウ・ミカレク ヤシェク・ガシオロフスキ
【言語】フランス語         
【出演】ジェラール・ドパルデューダントン)  ヴォイツェフ・プショニャック(ロベスピエール)  パトリス・シェロー(カミーユ・デムーラン)  ロジェ・プランション(フーキエ)  ボグスワフ・リンダ(サン・ジュスト)   アンゲラ・ヴィンクラー(リュシル・デムーラン)   
 
【成分】パニック 勇敢 切ない 悲しい 知的 政治的 フランス革命 フランス パリ 1794年
 
【特徴】ポーランドが生んだ巨匠アンジェイ・ワイダ監督の力作である。主役のダントンを演じるのは後に世界的俳優になるジェラール・ドパルデュー氏。
 池田理代子氏「ベルサイユのばら」の後日談と思えば、「ベルばら」ファンの女性たちにとって非常に興味深い作品であること間違いない。フランス革命をお洒落に描くジャック・ドミ監督やソフィア・コッポラ監督と違って、さすがアンジェイ・ワイダ監督は厳しく渋い。
 佳境で、喉を潰しながらも法廷で演説するジェラール・ドパルデュー氏の演技は迫真!
 
【効能】フランス革命の実態、政治家同士の鍔迫り合い、歴史と政治の勉強に効果的。ジェラール・ドパルデュー氏の法廷での演説には涙。
 
【副作用】アンハッピーエンド。現代政治に対しても虚無感を抱くかもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
メジャーなのにDVD化されてない。
 
 池田理代子氏の代表作「ベルサイユのばら」と「エロイカ」の丁度中間にあたる時代が舞台。監督は世界的に著名で日本でもファンが多いポーランドのアンジェイ・ワイダ氏。主演はフランスの名優ジェラール・ドバルデュー氏。ここ十数年「コロンブス」「仮面の男」などハリウッド映画への出演も多いので日本での知名度も大きい。これだけの要素が揃っているのに日本ではDVD化されていないのは不思議である。
 
 この作品は「ベルばら」の後日談といっても良い。ルイ16世やマリー王妃を処刑して革命を成功させたものの、政権維持のためにかつての革命の同志や友軍たちを次々と断頭台に送っていった様を、ロベスピエールダントンの2人の巨頭の対立を軸に描く。ドバルデュー氏はダントンを演じた。
 混乱する国内に現政権への不満が高まりダントン待望論が湧き起こる。ダントンのかつての盟友で現政権の最高責任者であるロベスピエールダントンとの会談を行うが物別れとなり、ダントンの逮捕と処刑を決断する。
 
 圧巻はラストの演説の場面である。ダントン処刑に反対する議員たちを前に、ロベスピエールは精一杯の気合いを入れて自分の正当性を訴え議会を味方にする。ダントンは法廷で得意の弁術を駆使して大勢の傍聴人たちを味方につける。しかし、ロベスピエールのダントン抹殺の意志は堅く、渾身の演説で議会は処刑支持に傾きダントン陣営からも寝返り者が出始める。ダントンは、長い拘留と裁判の末に姿が見窄らしくなり咽が潰れて自慢の演説が思うようにできなくなり、流れは完全にロベスピエール側となる。
 
 ダントンの支持者たちが次々と断頭台で首を落されるのを、ドバルデュー氏演じるダントンは自分の番を待ちながら潰れた声で革命の行く末を危惧する。同じ時期、一仕事終え鬘や化粧を落したロベスピエールは疲れきり脂汗を浮かべた顔でベッドに潜り込む。外では隙の無い紳士のロベスピエールの自宅での表情の落差が効果的だ。
 
 「ベルばら」や「エロイカ」を読んだ人なら、たぶん抵抗なく映画の世界に感情移入できるだろう。池田理代子氏が思い描くフランス革命を映画化したら、確実にこの「ダントン」に近いものになるのではないかと思う。(余談1)

(余談1)ダントンの友人であり同志として登場するカミーユ・デムーラン、これは「ベルばら」の主要キャラ「黒い騎士」ことベルナール・シャトレのモデルである。ネッケル蔵相罷免をきっかけにパレ・ロワイヤル広場にてパリ市民に「武器を取れ!」と演説をするカミーユ・デムーランのエピソードが、そのまま「ベルばら」のベルナール・シャトレの演説場面に流用されている。
 
 それにても、どうしてジャック・ドミ監督「ベルサイユのばら」やソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」は、華やかさだけを強調したような映画にするんやろう?
 
晴雨堂スタンダート評価
☆☆☆☆☆ 秀
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作


晴雨堂の関連書籍案内
フランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)
ロベスピエールとフランス革命
ロベスピエール―ルソーの血ぬられた手 (1962年)
ベルサイユのばら (1) (集英社文庫)
ベルサイユのばら (2) (集英社文庫)
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ベルサイユのばら (4) (集英社文庫)
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