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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」 ストレス解消活劇〔4〕 

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
映画化の希有な成功例。

 

 
【公開年】1984年  【制作国】日本国  【時間】115分  
【監督】石黒昇  河森正治
【原作】スタジオぬえ
【音楽】羽田健太郎
【脚本】富田祐弘
【言語】日本語 ゼントラーディ語 一部イングランド語         
【出演】飯島真理リン・ミンメイ)  長谷有洋(一条輝中尉)  土井美加(早瀬未沙少佐)  羽佐間道夫(ブルーノ・J・グローバル艦長)  小原乃梨子(クローディア・ラサール大尉)  神谷明(ロイ・フォッカー少佐)  市川治(ゴル・ボドルザー)  蟹江榮司(ブリタイ7018)  大林隆介(エキセドル4970)   鈴置洋孝(リン・カイフン)   速水奨(マクシミリアン・ジーナス中尉)
  
【成分】悲しい ファンタジー スペクタクル ロマンチック パニック 勇敢 セクシー かっこいい 宇宙戦争 SF アニメ 
 
【特徴】戦闘機が人型ロボットに変形するメカと、内部に大都市を抱えた巨大な宇宙戦艦が超巨大な人型ロボットに変形するメカが登場。空母と戦艦で武装したようなノアの箱舟を駆って侵略する宇宙人に対し人類存亡をかけ戦う戦争アニメ。
 
【効能】緻密でリアルかつテンポよくスピーディーに動くメカと、無数に飛び交うミサイルでストレス解消。
リン・ミンメイの美しくも生々しい描写に萌え。
 
【副作用】リアルさを追求するあまり血腥い描写を入れているため、気分が悪くなり戦争アニメのあり方に疑問を持かもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
美少女アイドル、リン・ミンメイ
壮大なプロモーションビデオ

 
 一応、理に適った斬新なメカデザインは、欧米の特撮アニメファンの間でも評判だった。作中に登場するロボット変型可能のバルキリー戦闘機はNASAも注目という噂まであった。
 
 監督を務めた河森正治氏は中高生の思春期の時に「宇宙戦艦ヤマト」を体験している世代だ。
 日本アニメが一つの藝術・産業として世間から認知されアニメ専門誌(注1)が誕生する切っ掛けとなった「ヤマト」、この「ヤマト」に強く触発され「ガンダム」で人生の進む道を定めて業界に身を投じた人は少なくないと思う。
 
 「マクロス」は制作者にとってもファンにとっても、ヤマト世代の総決算的な気合いを入れた作品だった。公開当時、暇な学生だった私は一日中映画館にこもって4回観た。(注2)1回目は楽しみ、2回目は構成や演出を確認し、3回目は粗探し(注3)、4回目は再び作品を楽しむ。最初は感動したゼントラーディ語が、4回目になると日本語的発音が気になってしまった。
 
 TVアニメを観た人は判ると思うが、オープニングや最終回などの節目のエピソードは素晴らしい動画なのに、中盤あたりは高校アニメ研でも描かないほどのヒドイ絵になった。映画化にあっては技術的な改善が計られる事は期待できるが、問題は作品としてまとまるかどうかである。「ヤマト」も「ガンダム」も映画化には少なからずの不満を持っている人は少なくないと思う。
 
 「マクロス」の場合は杞憂だった。ストーリー展開を再構成するというレベルではなく、物語そのものを一旦リセットして、まったく別の「マクロス」を創りあげた事は英断であり大成功だと思う。声優の飯島真理氏や長谷有洋氏も格段にアフレコが巧くなっていた。
 
 間違いなく日本アニメ史上の秀作として位置付けられる作品であり、その後のアニメにも強い影響を与えているが、当時は「子ども向けアニメ」らしからぬ残虐シーンや生々しい場面に賛否両論あった。「月刊アウト」ではファンの間で誌上討論がなされ、私の周辺でも結論の出ない議論が続いた。たぶん今でも結論は出ず、永遠に平行戦が続くだろう。
 
 リアリティ追求のためか戦闘場面では屠殺場を連想するような血腥く生々しい場面を丁寧に描写していた。リン・ミンメイの描写も、決して性描写ではないのだが、脇や脇腹などの筋肉線を細かく書き込むなど、子どものようで大人の10代後半の少女の「肉体」を当時としては臭ってきそうなほど生々しく見事に描写されていた。子どもの教育や人権に熱心すぎる頑な人々は、クレームを付けたくなるだろう。
 
 残虐かつ生々しい場面に戸惑うアニメファンは「そんなシーンを入れる必要があるのか? そんなシーンが無くても良いアニメはできる」と主張していた。あの頃は「イデオン」や「クラッシャージョー」など、人が殺される場面のリアルさが評判になっていた。そんな風潮に辟易していたのだろう。
 
 私は表現規制に反対の立場だったので、いつも対立・平行戦となり、お互いに相手を「杓子定規の堅い奴」「モラルを軽視する変人」と非難しあって議論は打ち止めになったものだ。私は「マクロス」の価値を否定する「杓子定規の堅い奴」に向かって、「この映画は、歌手リン・ミンメイの壮大なプロモーションビデオだ。そう思って観ればええやろ」と言ってやったのを憶えている。 
 
(注1)「アニメージュ」創刊号の表紙はヤマトだった。私は1978年の創刊号から1992年頃まで欠かさず持っている。
 
(注2)当時の映画館は入れ替え制ではない。館から出なければ、何回でも観れた。4回はあまりいなかったが、2回続けて観る青少年は非常に多かった。
 
(注3)無数に飛び交うミサイルの中に、バドワイザーやタコハイなどの缶ビール・缶チューハイが混じっている。制作者はさり気なく遊び心を入れていた。
 
晴雨堂関連作品案内

 
晴雨堂の関連書籍案内
僕たちの好きな超時空要塞マクロス―PS2「超時空要塞マクロス」で甦る! (別冊宝島 (919))
劇場版 超時空要塞マクロス―愛・おぼえていますか
超時空要塞マクロス TV版〈上〉
超時空要塞マクロス TV版〈中〉
超時空要塞マクロス TV版〈下〉
 

 
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[2007/12/25 14:48] ??l^
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか こんばんは、プロトカルチャーです。 昔、マクロスのプラモ作ったなあ。 飛行機からロボットに変形するバルキリーってやつか。 アニメは見てなかった。 GyaOでやってて丁度よかったので鑑賞。 映画版でTVシリーズと..
[2009/06/10 07:26] カフェビショップ
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