南田洋子氏のご冥福を祈ります。 俳優の
長門裕之が21日午後7時より、出演舞台を終えた東京・明治座で会見に応じ、同日午前10時56分、くも膜下出血のため都内の病院で死去した妻で女優の
南田洋子さんについて「最後(17日)、彼女が指をきつく握ってくれた“痛さ”はいい思い出になります」と涙をこらえながら語った。(オリコン)
【雑感】昨日、逝去されたか。一昨日の夫
長門裕之氏の会見では、「もう洋子ではありません。(死期を)待っている状態」と沈痛な表情で語った。その時点ですでにどうしようもない状態だったのだ。
私は「クイズダービー」で珍解答するレギュラーとして印象に残っている。オカッパ頭のような独特の髪型のイメージが強いが、映画ではいろんな髪型になっていた。特に若いころは少女漫画のヒロインのようだった。
告別式は
長門裕之氏の舞台公演が終わってから、との話で思い出した映画がある。「
太陽の季節」だった。
2人の馴れ初めの映画であり、2人で主役を務めた代表作であり、主人公の友人役としてチョイ出演した石原裕次郎氏のデビュー作でもあり、石原慎太郎氏が芥川賞作家へと「出世」した記念碑のようなものでもある。
「
太陽の季節」のラストは奇しくもヒロインの葬式の場面だ。遺影には20代前半の
南田洋子氏の写真が飾られ、サザンの桑田佳祐氏そっくりの風貌の
長門裕之氏が学生服姿で弔問に訪れ、まるで織田信長のように遺影に向かってお香を投げ付けるという狼藉をはたらく。騒然となった式場で遺族に向かって「あんたたちには解らないんだ!」と捨て台詞を残し、ツカツカと去っていく。
当時、
南田洋子氏はトップスターであり、
長門裕之氏は子役から下積みで俳優をやっている若手だった。長門氏のギャラは南田氏の十分の一だったそうである。
南田氏は「
太陽の季節」を読んで感動し、映画化を発案し、相手役に
長門裕之氏を選んだそうだ。長門裕之氏にとってビジネスパートナーとしてもかけがえの無い存在だった。
あれから半世紀以上が経ってから、再び「ヒロイン」の葬式に望まなければならないとは、切ない因縁である。
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俺は何かを待っている。生涯で失いたくないものを失う時間を待っているんです。
いま動いているのは、人工呼吸器で自発的な呼吸ができない中で、心臓を動かすためにいろんなことを行っているが、 現状はどんどん、どんどん、それを待っているのがつらい。
ものすごい無情を感じる、そんなバカなことはありえない。
これは痛いほど分かる 心に突き刺さる言葉だ
考えたくも無い
ご冥福をお祈りします
starfield