ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「トレッキーズ スター・トレック万歳!」 知的興奮を楽しもう〔7〕 

トレッキーズ スター・トレック万歳!」 
オタク讃歌

 


【原題】TREKKIES
【公開年】1997年  【制作国】亜米利加  【時間】87分  
【監督】ロジャー・ナイガード
【原作】
【音楽】ウォルター・ワーゾワ
【脚本】
【言語】イングランド語
【出演】レナード・ニモイ(本人)  ウィリアム・シャトナー(本人)  デニース・クロスビー(本人)  メイジェル・バレット・ロッデンベリー(本人)  デフォレスト・ケリー(本人)  ウォルター・コーニッグ(本人)  ニシェル・ニコルス(本人)  ジョージ・タケイ(本人)  レヴァー・バートン(本人)  マイケル・ドーン(本人)  テリー・ファレル(本人)  ジョナサン・フレイクス(本人)  チェイス・マスターソン(-)  グレイス・リー・ホイットニー(-)  ケイト・マルグレー(-)  ロバート・オライリー(-)  イーサン・フィリップス(-)  ブレント・スピナー(-)  ウィル・ウィートン(-)  ブラノン・ブラーガ(-)  ジェリ・テイラー(-)  ゲイリー・ロックウッド(-)  ジェフリー・マンデル(-)  ロクサン・ドーソン(-)  ロバート・マクニール(-)  ロバート・ピカード(-)  ティム・ラス(-)
    
【成分】笑える 楽しい 知的 トレッキー ドキュメント 
       
【特徴】「スタートレック」の熱烈なファンを指す「トレッキー」と呼ばれる人々を取材したドキュメント。
 カーク船長、ミスター・スポック、ドクター・マッコイらエンタープライズクルーもインタビュー出演、貴重映像である。
  
【効能】アメリカのオタクに同志的感情を抱く。オタクであることに引け目を感じている人はオタクであることの誇りを持つ。とにかく愉快になる。
 
【副作用】オタクに偏見を持っている人には気味悪い作品。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
アメリカのオタク。

 日本でオタクといえば、「ガンダム」ファンに代表されるようにアニメ・漫画の熱烈な信奉者を指す。多くは作品DVDやフィギアなどの関連グッツを集めたり、中川翔子氏のようにアニメキャラの衣装を着て楽しむ人などが多い。中には自ら漫画やフィギアを制作する方も少なくない。毎年夏と冬に開かれるオタクの祭典コミックマーケット(コミケ)には主に日本全国から数十万単位の人々が集まって地域経済を大いに助けている。(余談1)

 ではアメリカのオタクが信奉する作品は何かといえば、60年代後半からTV放送された「スタートレック(宇宙大作戦)」である。(日本では70年代半ばに放送)このドラマのファンをトレッキーと呼ぶ。トレッキーは若者から知識人に多く居る。例えばスペースシャトル1号機の名前は「エンタープライズ」なのだが、これを原子力空母エンタープライズからとったと誤解する方が日本では多い。実は「スタートレック」の舞台となっている宇宙船USSエンタープライズ号からとっているのだ。NASAにもオタクかそれに近いファンがいる証拠だ。

 映画でも「スタートレック」人気を窺わせる場面がある。若きトム・クルーズ氏が出演した「タップス」では舞台となった陸軍幼年学校の一室に生徒たちが集まって「スタートレック」を観る場面がある。(余談2)
 デンゼル・ワシントン氏主演の「クリムゾンタイド」では、故障した機械を汗だくで修理する若い通信兵をハーバード大卒の副長役デンゼルが自分をカーク船長、通信兵を技術主任スコッティに例えて励ます場面がある。

 「スタートレック」は60年代後半から現在に至るまで人気を維持し続けている。人気の秘訣は物語の組み立て方と登場人物の相関関係の面白さである。1話完結の連続ドラマなのでラストは最初から「めでたし」で終わる予定調和だが、どうやってハッピーエンドにするのか、その意表を突く展開にはいつもワクワクさせられた。
 再放送では話の筋は最初から判っているので意表を突く事は無くなるのだが、今度はキャラクターの個性のぶつかり合い掛け合い漫才で楽しめる。論理的で冷静な副長スポックと人情派の医療主任マッコイ、総合的能力に長じた勇敢なゼネラリストでハッタリの名手にして女たらしのカーク船長。この3人を取り巻く個性的な乗組員や宇宙人たち。

 80年代末からはキャラを一新した新シリーズが始まり、フランス人艦長版・アフリカ系艦長版・女性艦長版などのシリーズが制作されて現在に至る。(余談3)これほどまで長期に渡って続くシリーズ、私は前述した要素以外にアメリカ人的楽天性と能動的な未来への前進が作中に溢れているのが最大の魅力だと思っている。どんな危機も諦めず打開策を見つけ出して突破、ラストは乗組員たちの談笑と交響楽団の快活なBGMととも漆黒の宇宙へ前進して行く。

 この「トレッキーズ」はアメリカのオタクを取材したドキュメントであり、カーク船長・ミスター・スポック・ドクター・マッコイらのインタビューもあり、ファンには見逃せない作品である。

(余談1)コミケは漫画同人誌即売会の代名詞である。
 残念ながら、私が最後に参加したコミケは1995年冬、けっこう昔である。まだ東京の晴海で行われていた時代だ。近くにある一泊7千円のホテル浦島は運営スタッフ・印刷業者・オタクたちの定宿で開催時期は満室になる。
 この当時で既に台湾や韓国のメディアが大勢取材に来ていた。アメリカのサークルも参加している。今ではさらに世界の認知度は広がり映画産業にも影響を与えていると思う。近年のハリウッドが好例だ。
 
 最初のコミケ開催は70年代後半、主に女子高生の漫画研究会が70サークルほど集まって開いていたと記憶している。急激に躍進したのは「ガンダム」「マクロス」と「うる星やつら」人気が沸騰した80年代。90年代からはソウルや北京でも同様の趣旨のイベントが行われるようになった。

 門外漢はダサいムッツリスケベ男たちが集まる異様な集会を連想し否定的視点で見る方が少なくないが、これは極めて誤った偏見である。現在でも参加者の7割近くは女性である。
 女性が主流の市場は強い。このオタク市場は景気不景気関係なく発展を続けた。幼女連続殺害事件の犯人宮崎勤がオタクだった事から、一時期は法規制強化の影響も危惧されたがスタッフや参加者達の遵法精神と自制心で乗り切った。経済的にも文化的にも小さくない意義がある。
 
(余談2)作中のTVに映っていたのは「盗まれたスポックの頭脳」だった。

(余談3)2009年公開作についてカーク船長役のウイリアム・シャトナー氏が「オファーが無かった」事に少し不満を漏らしていた。スポックのレナード・ニモイ氏は出演していたが。
 

  
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔



 
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