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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ROOTS/ルーツ」 家族と一緒に考えよう〔21〕 

「ROOTS/ルーツ」 
「スタートレック」と「ルーツ」の関係。

 


【原題】ROOTS
【公開年】1977年  【制作国】亜米利加  【時間】565分  
【監督】デヴィッド・グリーン
【原作】アレックス・ヘイリー
【音楽】ジェラルド・フリード
【脚本】アーネスト・キノイ ジェームズ・リー
【言語】イングランド語
【出演】レヴァー・バートン(青年時代のクンタ・キンテ)  ジョン・エイモス(壮年以降のクンタ・キンテ)  タルマス・ラスラーラ(オモロ・キンテ)  エドワード・アズナー(-)  ルイス・ゴセット・Jr(フィドラー)  ヴィク・モロー(エームズ)  ローン・グリーン(-)  マッジ・シンクレア(ベル)  ロバート・リード(-)  レスリー・アガムズ(キジー)  チャック・コナーズ(モーア)  リチャード・ラウンドトゥリー(-)  ベン・ヴェリーン(チキン・ジョージ)  オリヴィア・コール(マチルダ)  ジョーグ・スタンフォード・ブラウン(-)  ヒリー・ヒックス(ルイス)  リン・ムーディ(アイリーン)  ロイド・ブリッジス(-)  リンダ・デイ・ジョージ(-)  キャロリン・ジョーンズ(-)  シシリー・タイソン(クンタ・キンテの母)  ブラッド・デイヴィス(-)  ブライオン・ジェームズ(-)  マヤ・アンジェロウ(-)  モーゼス・ガン(-)  レン・ウッズ(-)  O・J・シンプソン(戦士)  ラルフ・ウェイト(-)  ポール・シェナー(-)  ゲイリー・コリンズ(-)  リー・デ・ブロー(-)  ターニャ・ボイド(-)  セイヤー・デヴィッド(-)  レイモン・サン・ジャック(-)  ローレンス・ヒルトン=ジェイコブス(-)  ジョン・シャック(-)  マクドナルド・ケリー(-)  スキャットマン・クローザース(-)  ジョージ・ハミルトン(-)  イアン・マクシェーン(-)  ウォーリー・テイラー(-)  ダグ・マクルーア(-)  オースティン・ストーカー(-)  バール・アイヴス(-)  ジョン・クエイド(-)  チャールズ・サイファーズ(-)  トッド・ブリッジス(-)  パット・コーリイ(-)  ジョー・ドーシー(-)  リチャード・ファーンズワース(-)  スタン・ヘイズ(-)  ヤフェット・コットー(-)  メイコン・マッカルマン(-)

【成分】悲しい パニック 勇敢 絶望的 切ない 奴隷制度 民族差別 18世紀~19世紀 アメリカ 

【特徴】アメリカのTV局が制作した小説家アレックス・ヘイリー氏の祖先たちが主人公の大河ドラマ。18世紀、アフリカのクンタ・キンテ青年が奴隷狩りにあいアメリカへ拉致されてから4世代に渡る苦難の歴史を描写。

 本作には続編があり、4代目から現代のアレックス・ヘイリー氏自身のエピソードまで描写。

【効能】アフリカ系アメリカ人の苦難の歴史を学べる。人種差別について考えるきっかけになる。

【副作用】白人の描写がぬるい事に不快。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
クンタ・キンテからラフォージ大尉へ
 
 「ルーツ」とはアフリカで平穏に暮らしていたクンタ・キンテ青年が拉致され奴隷としてアメリカへ売り飛ばされた事から始まる作者アレックス・ヘイリー氏の祖先たちの物語を軸に、アフリカ系アメリカ人の苦難に満ちた歴史とアメリカ社会が抱える人種差別を告発した問題作である。

 この「ルーツ」と「スタートレック」にどんな関係があるのか。
 80年代末にカーク船長版「スタートレック」からピカード艦長版にシリーズ刷新された。新しいレギュラー陣に、いつも目に特殊バイザーを取り付けている黒人の技術主任がいる。後のシリーズではレギュラーから降りるが、頻繁にゲスト出演をしている名物キャラだ。
 ファンならご存知と思うが、実はこのラフォージ大尉を演じたレヴァー・バートン氏は「ルーツ」で主人公クンタ・キンテの少年時代を演じていた。クンタ・キンテ役が彼の出世作であり、ラフォージ役は俳優としての地位を安定させた作品である。

 「スタートレック」全シリーズを観ていると、アメリカ社会の四半世紀先を描写している事が判る。カーク船長版では、主人公のカークこそ金髪碧眼で体格がよく頻繁に諸肌脱いで格闘する典型的なアメリカンヒーローだが、カークの上司やエンタープライズ号の技術者たちはアフリカ系が多い。
 日本では「ウラ中尉」と訳されているアフリカ系女性の通信将校も原版では「ウフーラ大尉」であり、カーク船長・スポック副長・チャーリー技術主任(原版ではスコット少佐)・加藤航海士(原版ではスルー大尉)が不在の時は船の指揮を執ることもある上級士官だ。(余談1)制作当時は60年代、現実のアメリカ軍ではアフリカ系将校は極めて少ない。これに女性という条件が付けば全く居なかったと思う。そんな時代に作中のエンタープライズ号ではアフリカ系女性将校が活躍するのである。
 初期のウラ中尉は脇役感が否めなかったが、物語進展とともに重要なエンタープライズ一家の紅一点となり、宇宙飛行士や科学者を目指す非白人市民にとって希望の星となった。

オバマ大統領とウフーラ大尉。
ウフーラ大尉役のニシェル・ニコルズ氏がホワイハウスを訪問、
オバマ大統領とツーショットでバルカン・サリュートをする。2012年ごろ?
 
 クンタ・キンテ役で注目されたレヴァー・バートン氏がエンタープライズ号のラフォージ大尉役になったころには、「スタートレック」の黒人地位は格段にあがる。ウラ中尉の時代では主人公の上司や技術者の役をやっていても、物語のポジションとしては台詞の少ない脇役だった。ところがラフォージ大尉は完全に主要レギュラーでエピソードによっては主役も務める。
 シスコ艦長版では、ベンジャミン・シスコ艦長自身がアフリカ系であり、主役の位置にある。女性艦長ジェインウェイ版では、バルカン人という設定ながら黒人のトヴォックが副長とほぼ同格の重要な地位にいて、なおかつ艦長の名参謀で各エピソードで常に主役と同格の地位にいる。オバマ政権では、アフリカ系のオバマ大統領と白人女性のヒラリー国務長官の組み合わせだが、その逆パターンと思ったら良いだろう。「スタートレック」では知的で実行力のあるキャラをアフリカ系俳優が担当するのが定着している。

 「スタートレック」は400年以上未来を舞台としているが、艦内の人物相関は十数年先のアメリカを映し出しているといえよう。
 「ルーツ」は過去から現在にかけてのアフリカ系アメリカ人の暗い歴史を描写した。クンタ・キンテをはじめ子孫たちは7代に渡って貧困と差別に苦しめられ這い上がってきた。この作品がきっかけで、「黒人」から「アフリカ系」という名称が定着していく。「スタートレック」では少し未来のアフリカ系アメリカ人のあり様を示し、知識人を中心に世間で定着させた功績がある。

(余談1)エンタープライズ号の指揮を執ったのは、アニメ版だったと思う。
 初めて見た時、ウフーラ大尉はピチピチの20代と思っていた。ところがなんとカーク船長と歳はあまり変わらず、当時すでに30代半ば。ということはニシェル・ニコルズ氏は80歳を超えているのか・・。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 
晴雨堂関連書籍案内
ルーツ 1 (現代教養文庫 971) アレックス・ヘイリー
ルーツ 2 (現代教養文庫 972) アレックス・ヘイリー
ルーツ 3 (現代教養文庫 973) アレックス・ヘイリー
 

 

 
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