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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ファンシイダンス」 カップルで愉快になろう〔7〕 

ファンシイダンス」 
本木雅弘のアイドル脱皮宣言。




【公開年】1989年  【制作国】日本国  【時間】101分  【監督】周防正行
【原作】岡野玲子
【音楽】周防義和
【脚本】周防正行
【言語】日本語
【出演】本木雅弘(塩野陽平)  鈴木保奈美(赤石真朱)  大沢健(塩野郁生)  彦摩呂(笹木英峻)  田口浩正(信田珍来)  近田和正(慈安)  渡浩行(良好)  ポール・シルバーマン(洋西)  入江則雅(一裕)  徳井優(古参)  宮坂ひろし(古参)  ジーコ内山(古参)  大木戸真治(古参)  清田正浩(古参)  松本泰行(古参)  玉寄兼一郎(古参)  竹中直人(北川光輝)  甲田益也子(晶慧)  菅野菜保之(寿流)  村上冬樹(南拓然住職)  みのすけ(アツシ)  吉田マリー(ミチコ)  吉田裕美子(たまこ)  浦江アキコ(かなこ)  大槻ケンヂ(硫一)  東京スカパラダイスオーケストラ(バンド)  半田麻由美(すずちゃん)  広岡由里子(マドンナ)  原ひさ子(お婆さん)  戸村由香(ナンバされる女の子)  河合美智子(レポーター)  柄本明(社員)  小形雄二(社員)  岩松了(社員)  蛭子能収(社員)  河田裕史(社員)  佐藤恒治(社員)  布施絵里(社員)  岡本弥生(社員)  宮琢磨(塩野厳生)

【成分】笑える 楽しい 知的 コミカル 仏教 禅寺

【特徴】禅寺の修行僧が繰り広げるラブコメディ。舞台は禅宗の永平寺がモデルになっていると思われる。厳しい修行で評判の禅寺だが、そこでの楽屋裏ネタが満載だ。
 原作者の岡野玲子氏は本作の原作漫画で小学館の漫画賞をとり、後に海外で評価されることになるポルノ映画の監督周防正行氏にとっては初の長編一般作、主演の本木雅弘氏にとってはアイドルから決別するかのように剃髪、そして今やメタボ体型のグルメレポーター彦摩呂氏にとって美青年俳優だった頃の証拠作品でもある。

【効能】愉快になる。制約のある環境下でも余暇や余興などの楽しみを見つける知識とコツが覚えられる。

【副作用】禅寺をなめてしまう。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
原作・監督・主演の3者にとって
エポックメーキング。


 都会の大学生でロックバンドのボーカル陽平はおちゃらけた明るい男の子、ところが実家の禅寺を継がなくてはならないため、美人の恋人真朱をおいて修行僧(雲水)となり御本山へ。という話である。厳しい修行で知られる禅僧たちの楽屋裏エピソード満載のラブコメディだ。

 原作は「陰陽師」で有名な漫画家岡野玲子氏、監督は「Shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」など話題作・問題作を手掛けることになる周防正行氏、そして主役は後にアカデミー賞映画の主演者となるモックンこと本木雅弘氏。

 この作品は主要関係者にとってエポックメイキングである。まず原作者岡野玲子氏は「ファンシィダンス」で小学館の漫画賞を獲得する。岡野氏にとって初の大ブレイク作だ。周防監督にとっても初の一般作長編映画、彼もまたポルノ映画から監督キャリアを出発させていた。
 そしてシブガキ隊のモックンにとっては単独初主演作というだけでなく、ジャニーズアイドルから演技派俳優への脱皮を試みた第一歩作品。禅寺の雲水役になりきるため鬘を使わず本当に剃髪した事で大評判になった。今でこそ役づくりのためには髪を短くすることも厭わない空気になっているが、当時のアイドルや二枚目俳優が坊主頭になるのはありえなかったし、させてくれなかった。
 このように原作者・監督・主演の3者にとって、まさに新たな段階へステップアップする、そんな旬の若葉のようなエネルギーで制作されたコメディだ。(余談1)

 ただ、当時の私の印象は、あまり好意的ではなかった。禅寺の楽屋裏はよく雰囲気が出て面白かったし、本木雅弘氏の演技も好感が持てた。ロックバンドから雲水へスタイルをかえる主人公と、ジャニーズアイドルから本格の演技派俳優へと芸能スタイルを変えようとする本木氏本人にとって、タイムリーな役柄だろう。
 あくまで、私個人の好みの問題かもしれないが、実写映画よりアニメにしてほしかったのだ。声優もプロを使い、岡野ワールドを描写してほしかった。私は原作ファンで単行本も揃えていたので、実写映画化にする事で変に漫画的デフォルメを用いるのではないかと警戒し、「ジャニーズのアイドル」が陽平を演じる事に嫌悪感を抱いていた。
 この感情はジャニーズのアイドルに対する偏見と差別というよりは、アンチ巨人・アンチ東京・アンチ米国といった反主流志向によるものだ。

 作品としては、リアルな禅寺事情が効いた面白いラブコメに仕上がっている。素直に本木雅弘氏の演技を観れるようになったのは、生真面目な警官を生真面目に演じた「遊びの時間は終らない」からだ。(余談2)

(余談1)他、主題歌はプリンセス・プリンセスが担当。当時の旬の人材が集まった映画だ。
 それからグルメレポーターの彦摩呂氏が主人公の雲水仲間英俊を演じている。肥満体の現在からは想像できないだろうが、当時は雲水らしいシャープな体型だ。時の流れを感じる。

 モックンの決意と努力を過小に評価した原因に甲田益也子氏の存在がある。なにしろ彼女は本物の頭皮を露に雲水を演じていたからだ。もちろん、尼ではなく美青年僧役として。後に彼女は「白痴」で演技力を海外でも高く評価される。

(余談2)「遊びの時間は終らない」91年作、警察は大衆ウケするリアルな防犯訓練を実施、本木氏は銀行強盗役を務める事になった主人公の生真面目警官に扮する。あまりに真面目に銀行強盗を演じたために、警察の思惑が次々と狂わされる。
 原田大二郎氏がお偉方に扮していたが、ワザとらしい海原雄山の様なカツラが気になった。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆

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☆☆☆


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