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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「オペレーション・ワルキューレ」 社会問題を考えたい時に〔18〕 

オペレーション・ワルキューレ」 
ドイツのTV局が制作した
ヒトラー暗殺事件の全容ドラマ

 


【原題】STANFFENBERG
【公開年】2004年  【制作国】独逸  【時間】96分  
【監督】ヨ・バイヤー
【原作】
【音楽】エンヨット・シュナイダー
【脚本】ヨ・バイヤー
【言語】ドイツ語
【出演】セバスチャン・コッホクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐)  ウルリッヒ・トゥクール(ヘニング・フォン・トレスコウ少将)  ハーディ・クリューガー・Jr(-)  ウド・シェンク(-)  ステファニア・ロッカ(-)  レモ・ジローネ(-)  クリストファー・ブッフホルツ(-)  エンリコ・ムッティ(-)  オッリ・ディトリッヒ(-)
    
【成分】悲しい パニック 勇敢 知的 絶望的 切ない かっこいい ナチスドイツ ヒトラー 第二次世界大戦 1943年~1944年 ベルリン 東プロイセン ドイツ
         
【特徴】内容は殆どトム・クルーズ主演の「ワルキューレ」と同じ。主人公がアフリカ戦線で重傷を負い、本国の予備軍参謀長へ栄転する過程でヒトラー暗殺計画の主導的立場になる。制作は本作のほうが先である。TVドラマにしてはかなり制作費をかけた大作に仕上がっている。
 トム・クルーズ版には盗作疑惑があがっているほど同じテーマと構成の作品なので、トム・クルーズとの解釈の違いや演技の違い、アメリカとドイツの視点の違いなどが楽しめる。
 私はドイツ語を話す本作がお薦め。アクションについてはアメリカ版のほうがやや優れている。
  
【効能】緊迫感とスリルを楽しめる。殉死の覚悟で事にあたる主人公たちに気合を入れられる。
 
【副作用】やや、物語の展開が駆け足で心に響かない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
ドイツ語の「ワルキューレ」

 「善き人のためのソナタ」で、主人公の秘密警察大尉に監視され夜の営みまで報告書に記載されるプライバシー丸裸の劇作家ドライマンを好演したセバスチャン・コッホ氏が、「善き人・・」の2年前に反ヒトラー勢力の英雄フォン・シュタウフェンベルク大佐に扮していた。

 セバスチャン・コッホ氏とトム・クルーズ氏と比べてどちらが良いかは、一長一短あって各々に良さと拙さがある。コッホ氏はドイツ人なのでドイツ語を話すし痩身面長で顔付きは実際の大佐と似ているが老け過ぎている。トム・クルーズ氏は英語しか話せないし実際の大佐にはあまり似ていないが、大佐を演じた時点の年齢はコッホ氏よりも歳をとっているにも関わらず若々しく、実際の雰囲気に近い。(余談1)

 原題は「シュタウフェンベルク」、主人公の名前である。ドイツではシュタウフェンベルクの名前の方が絶大な知名度を誇っているが、日本では歴史に詳しい人しか知らない。だからヒトラー暗殺計画に利用されたワルキューレ作戦を邦題にするのは理解できる。作戦名は北欧神話やワーグナーで日本でもよく知られているからだ。しかしドイツの作品なのにカタカナ英語で「オペレーション・ワルキューレ」、非常に気に入らない。別に「ワルキューレ作戦」としても良いと思うが。

 作品全体としては、TVドラマであるため室内劇が多くこじんまりとしているが、内容と予算が釣り合っている感じがした。ちょうど、NHKが制作した硬派の社会派ドラマの大作といった趣きである。逆にトム・クルーズ氏の「ワルキューレ」は大掛かりな予算とスタッフの割にそれら資本が十分活かしきれていない感じがした。良く言えばドイツに遠慮したつくりになっている。(余談2)

 ドイツだけでなく世界史にとっても大きな事件である「ワルキューレ作戦」が映画化もしくはドラマ化される例は少ない。このドラマを観るまでは大佐が黒い眼帯をつけた強烈な容姿だとは知らなかった。手元の資料にあるシュタウフェンベルクの顔写真は中尉時代の若い頃のものなので、眼帯はしていない。

 このドラマのおかげで、大佐への興味が強烈にわいた。映画「ワルキューレ」を観る方は合わせてこのドラマ「ワルキューレ作戦」をご覧になることも勧める。

(余談1)実際の大佐は37歳。他のレビューで30代前半と書いてしまったが、改めて確認したら大佐は1907年生まれだった。
 階級については文献によって「中佐」と記される場合があるが、トム・クルーズ氏が着ている軍服の肩章は大佐だったし、ドイツ語のサイトで確認したら「Oberst」とあるのでやはり大佐だ。彼は中佐としてアフリカ戦線に配属され、負傷して大佐に昇進し本国の予備軍参謀長へ栄転する。因みに中佐は「Oberstleutnant」。

 セバスチャン・コッホ氏は「善き人の・・」で少し前髪の生え際が薄くなった中年の劇作家を演じていたが、大佐役では豊かな黒い前髪になっている。カツラか植毛だろうか?

(余談2)空襲場面や、司令部で勤務する多勢の職員の姿、大隊規模の兵士たちが整列している場面などは映画ならではの壮観さなのだが。



晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優

晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作



 
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[2009/11/21 15:41] 悠雅的生活
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