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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「第五福竜丸」 社会問題を考えたい時に〔14〕 

第五福竜丸」 
アメリカ人に見せてやりたい作品

 


【公開年】1959年  【制作国】日本国  【時間】110分  【監督】新藤兼人
【音楽】林光
【脚本】八木保太郎 新藤兼人
【言語】日本語 一部イングランド語
【出演】宇野重吉(久保山愛吉無線長)  乙羽信子(久保山しず)  小沢栄太郎(知事)  千田是也(木下博士)  清水将夫(都目博士)  松山照夫(山崎浩司機関長)  市村昌治(近藤次郎甲板員)  稲葉義男(見島民夫漁撈長)  ハロルド・コンウェイ(原爆障害調査委員会所長)  ジョウ・ハーディング(アイゼンバアグ)  ピーター・ウィリアムス (米大使代理)

【成分】泣ける 悲しい パニック 勇敢 知的 絶望的 切ない 反核 50年代 白黒

【特徴】いま観ても被爆の場面はリアルであり、主人公久保山愛吉の病状も正確に描写されている。いまだに核について楽観的かつトンデモ描写が多いアメリカとは雲泥の差だ。当時はアメリカ当局の圧力もあったはずなのに、よく撮れたものだ。
 名優宇野重吉氏がベテラン漁師で船員のリーダー格久保山愛吉を好演、水爆実験に遭遇した時も無線技術者らしく冷静に光と音の差を計算して水爆実験の位置を特定している場面が印象に残る。愛吉の妻に扮している乙羽信子氏が若い。

【効能】核兵器の弊害について学べる。

【副作用】リアリティを追求しているので、娯楽向き映画でなければ納得できない人には暗い気持ちにさせるだけで面白くない。

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「盗馬賊」 社会問題を考えたい時に〔13〕 

盗馬賊」 中国人(漢族)監督が撮ったチベット
 
盗馬賊
(国内未ソフト化)

【原題】盗馬賊
【公開年】1985年  【制作国】中華人民共和国  【時間】99分  【監督】田壮壮
【音楽】瞿小松
【脚本】張鋭
【言語】チベット語? ソフトは中国語(普通話)吹替
【出演】才項仁増(ロールブ)  旦技姫(トルマ)
          
【成分】悲しい 絶望的 切ない 1920年代 チベット 
      
【特徴】一瞬、馬賊が日本軍と銃撃戦を展開する冒険活劇を連想してしまうタイトルだが、チベット最下層の民衆を淡々とドキュメント風に描写している映画。盗馬賊は単なる「馬泥棒」という意味。
 チベット仏教の僧侶たちを些か搾取者的に描かれていて、全編に渡って救いようの無い悲劇が展開される。
 欧米人はチベットを神秘的に描く傾向があるが、本作にはそれが無い。その意味では公平で冷静な視点であり、意外にプロパガンタ臭さは無い名作だ。
 
【効能】チベット民衆の風俗を学べる。
 
【副作用】チベット側の人には中国人の悪意を感じる。盛り上がりの無い作品なので退屈する。明るい展望の無い物語なので気力が萎える。
 
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「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」 社会問題を考えたい時に〔12〕 

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」 
壊れゆく人々を描いた秀作。

 

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [Blu-ray]
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]

【公開年】2007年  【制作国】日本国  【時間】190分  
【監督】若松孝二
【原作】掛川正幸
【音楽】ジム・オルーク
【脚本】若松孝二 掛川正幸 大友麻子
【言語】日本語
【出演】坂井真紀遠山美枝子)  ARATA(坂口弘)  並木愛枝(永田洋子)  地曵豪(森恒夫)  伴杏里重信房子)  大西信満(坂東國男)  中泉英雄(植垣康博)  伊達建士(青砥幹夫)  日下部千太郎(山田孝)  椋田涼(山崎順)  粕谷佳五(進藤隆三郎)  川淳平(行方正時)  桃生亜希子(持原好子)  本多章一(田宮高磨)  笠原紳司(高原浩之)  渋川清彦(梅内恒夫)  RIKIYA(金廣志)  坂口拓(塩見孝也)  玉一敦也(奥沢修一)  菟田高城(吉野雅邦)  佐生有語(寺岡恒一)  奥田恵梨華(杉崎ミサ子)  高野八誠(加藤能敬)  小木戸利光(加藤倫教)  タモト清嵐(加藤元久)  佐野史郎(さらぎ徳二)  倉崎青児(松本礼二)  奥貫薫(あさま山荘管理人)
          
【成分】悲しい パニック 絶望的 切ない 革命 学生運動 赤軍派 70年代初頭 
      
【特徴】学生運動史にとって大きな転換期にあたる大事件「あさま山荘」を、連合関軍の若者たちの視点で本格映画化。
 崇高な理想を抱いて権力に抵抗し日本革命を目指していたはずの若者たちが、如何に本来の目標から脱線していき、内輪で殺し合いをするだけの狂気の集団へと成り下がったのかを精密描写。連合赤軍の事件を正面から実写映画化した初の本格作品である。
 
【効能】当時の学生運動の息遣いが感じられる。風通しの悪い組織や集団の危険性を学ぶ事ができる。人民大衆の利益に貢献する運動と、人民大衆より優越感を感じるための運動との見分け方を知るヒントになり、カルトに引っかからないための教訓になる。
 「突入せよ!『あさま山荘』事件」で抱えた欲求不満を解消できる。
 
【副作用】全体に陰鬱で息がつまる。学生運動や市民運動に対して必要以上の偏見を持つ恐れがある。
 
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「明日への遺言」 

明日への遺言」 藤田まこと演じる老将軍
 


【公開年】2007年  【制作国】日本  【時間】110分  【監督】小泉堯史
【原作】大岡昇平
【音楽】加古隆
【脚本】小泉堯史 ロジャー・パルヴァース
【出演】藤田まこと岡田資)  ロバート・レッサー(フェザーストン主任弁護人)  フレッド・マックィーン(バーネット主任検察官)  リチャード・ニール[俳優](ラップ裁判委員長)  西村雅彦(町田秀実)  蒼井優(守部和子)  近衛はな(小原純子)  加藤隆之(岡田陽)  田中好子(水谷愛子)  富司純子(岡田温子)    
          
【成分】悲しい 勇敢 知的 切ない かっこいい 第二次大戦後 40年代末
      
【特徴】舞台を戦犯法廷に絞って展開。捕虜を手続き無く斬殺した責任をめぐって被告である元司令官が最期の法廷闘争を行う。
 
【効能】連合軍の欺瞞と似非正義が解る。
 
【副作用】日本軍の美化・詭弁に不快感。
 
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「戦場に咲く花」 社会問題を考えたい時に〔10〕  

戦場に咲く花」 暴君・緒形直人
 

 
【原題】葵花劫
【英題】The Last Sunflower
【公開年】2000年  【制作国】日本国 中華人民共和国  【時間】86分  
【監督】蒋欽民
【原作】高光
【音楽】趙季平
【脚本】蒋欽民 高光
【言語】中国語 日本語
【出演】緒形直人(菊池浩太郎中尉)  平田満(平岡少佐)  王学圻(駅長)  王蘭(駅長の妻)  張彗科(孤児)  丁海峰(大雀)  通訳(黄東平)      
 
【成分】悲しい パニック 切ない ミステリー 反戦 日中戦争 第二次大戦 1944年 満州国 中国東北地方 中国語 日本語 
    
【特徴】「恋人」で日本でも評価が高い。蒋欽民監督の初監督作品。
 第二次大戦末期、前線から離れた南満州鉄道の小さな駅に、戦傷リハビリを目的に「助役」の肩書きで若い日本軍中尉が赴任してくる。物語は、風呂場で助役が謎の死をとげ、それを巡って駅長以下4人の中国人が容疑者となるところから物語がスタートする。
 緒形直人氏はNHK大河ドラマ「信長」以上の屈折した暴君ぶりを哀しくも憎たらしく演じ作品全体の緊張感を高めている。当時の満鉄各駅が一種の兵站拠点となっている様がよく描写されていて興味深い。
 
【効能】中国人の平均的な日本軍イメージを知る事ができる。反戦映画として効果的。凶暴性と良心の間で揺れ動く主人公に、現代人の病理も見える。
 
【副作用】保守右翼から観ると日本軍をステレオタイプ的に描いているように見え不快感。冒頭から結末まで暗い映画なので気持ちが消沈する。
 
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「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」 社会問題を考えたい時に〔9〕 

めぐみ-引き裂かれた家族の30年



【原題】ABDUCTION: THE MEGUMI YOKOTA STORY
【公開年】2006年  【制作国】亜米利加  【時間】90分  
【監督】クリス・シェリダン  パティ・キム
【制作総指揮】ジェーン・カンピオン
【音楽】ショウジ・カメダ
【脚本】クリス・シェリダン 、パティ・キム
【言語】イングランド語 日本語      
【出演】横田滋(本人)  横田早紀江(本人)  増元照明(本人)       
 
【成分】泣ける 悲しい 恐怖 絶望的 切ない 北朝鮮拉致事件 ドキュメント
 
【特徴】北朝鮮拉致事件を第三者の視点で冷静にドキュメントを制作。
 
【効能】日本と北朝鮮に横たわる問題について学習の一助となる。横田夫妻の姿に胸を打たれ、痛みや危機意識を共有できる効果がある。
 
【副作用】北朝鮮の犯罪を信じたくない方々には抵抗のある作品。拉致被害者家族に感情移入し過ぎた人には生ぬるい内容で不快感。
 
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「ハイヤー・ラーニング」 社会問題を考えたい時に〔8〕 

ハイヤー・ラーニング」 
ジェニファー・コネリー氏の社会派参入。

 

 
【原題】HIGHER LEARNING
【公開年】1995年  【制作国】亜米利加  【時間】127分  
【監督】ジョン・シングルトン
【音楽】スタンリー・クラーク
【脚本】ジョン・シングルトン
【言語】イングランド語     
【出演】オマー・エップス(メリック)  クリスティ・スワンソン(クリスティ)  マイケル・ラパポート(レミー)  アイス・キューブ(ファージ)  ジェニファー・コネリー(タリン)  タイラ・バンクス(デジャ)  ローレンス・フィッシュバーン(フィリップス教授)  コール・ハウザー(スコット)   
 
【成分】悲しい パニック 勇敢 知的 切ない 学園 社会派
 
【特徴】アメリカが抱えている問題を、コロンビア大学を舞台に凝縮して描写。入学時はノーマルだった3人の新入生は学内で様々なトラブルに巻き込まれ、様々な思想グループに感化され、悲劇へと突き進む。
 ジェニファ・コネリー氏が同性愛者のフェミニスト学生を好演。ローレンス・フィッシュバーン氏が強靭な自制心を持った大学の知性を静かに熱演する。
 
【効能】アメリカの大学事情を判り易く描写されている。日本の大学でも水面下では同様の問題を抱えているので、アカハラ・パワハラ・キャンパスセクハラ・フェミニズム・民族差別・右翼などの最前線を垣間見れる。
 
【副作用】社会派作品なので、娯楽には向かない。特にジェニファ・コネリー氏の裸体を期待している方はがっかりする。
 
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2007年10月29日設置
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